ドルーエはグランド・シャンパーニュ地区セル-アングル村に位置する家族経営のコニャック生産者で、1848年創業。現在の当主は4代目のパトリック・ドルーエ氏。グランド・シャンパーニュ地区で「プロプリエテール」と呼ばれるブドウ栽培から瓶詰まで全ての工程を自社で行う、生産者の手が行き届くコニャックづくりを行っています。
ドルーエ オルダージュ 1993 Drouet Hors D'Age 1993 for BAR DORAS and Whisk-e
テイスティングコメント
【BAR DORAS 中森保貴氏からのコメント】
20〜49年熟成の熟れたマンゴーの南国フルーツ、完熟プラム、シガーの葉や紅茶の茶葉の要素が含まれる定番ハイエンドレンジ商品「パラディ ドゥ ファミーユ オルダージュ」に使われるシングルヴィンテージの原酒をリクエストし、そのメインとなる1993年の秘蔵原酒1樽をカスクストレングス57.0%volで特別に提供して頂きました。ラベルには極少量を意味するSmall Batchが表記されています。
定番商品用には350L、400L、450Lの古樽を使用し、途中で1、2回樽を移し替え、貯蔵庫の湿度の違いを利用するために樽を移動させながら熟成させています。大量生産出来るスコッチウイスキーに比べ、少量生産により1樽1樽に目をかけた管理が出来るのがコニャックです。ドルーエのプライベートコニャックではブドウ本来の味わいを全面に出すため、樽から出るタンニンを付け過ぎないよう新樽での熟成は7ヵ月と短くし、その後1番小さな350L樽に移した後はボトリングまで移し替えずに熟成させることで、深い色合いになり、ストレスのない樽の風味が乗っています。
今年1月の再訪問ではその樽からコニャックを自ら汲み出してテイスティング。コニャックでは度数調整し、アルコールの柔らかさとエレガントさを出すことが王道となりますが、このボトルは稀な樽出しにより濃厚で瑞々しいブドウ感の中に複雑なウッディさ、酸のあるハイカカオチョコレート、アフターは時間を共にして出てくる南国果実の余韻が上がってきます。じっくりと時間をかけるとメローな甘みが出てきて変化も楽しめます。